個人注目の豪ドル投資は報われるか

ドル高基調の中でも底堅く推移していることから、豪ドルは日本の個人投資家を中心に注目を集めている。しかし、筆者は先行きを慎重にみており、たとえ多くの主要通貨に対して円安が進んだとしても、豪ドルは対円でも下落するリスクが高いと考えている。

豪ドル円は、今年1月下旬に90円を割り込む場面もあったが、その後は底堅く推移。9月上旬には98円台後半と昨年5月以来の水準に上昇し、原稿執筆時点(10月10日午前)でも94円台半ば近辺と年初来プラスを維持している。年初から5%以上下落したユーロ円と対照的な動きである。

豪ドルは、対円だけでなく、対米ドル(以下、ドル)でも下値の堅い動きを示している。対ドルの年初来パフォーマンスをみると、円が2.3%、ユーロは7.6%とそれぞれ下落したのに対し、豪ドルの下落率は1.8%と小幅。為替市場では9月に入りドル高基調が強まったが、豪ドルは対ドルでも下値が堅い。

この背景として、格付けが最高水準にあるにもかかわらず、金利水準が高い点がある。オーストラリアの格付けは、大手格付け機関3社いずれもがAAA水準を付与。アジア・太平洋州で同水準にあるのはシンガポールだけである。

格付けが高ければ、金利水準も低くなるのが一般的だが、オーストラリア債利回りは、先進国の中で抜きん出ている。豪 2年債利回りは原稿執筆時点で2.5%台後半。他の先進国をみると、日本が0.05%台、米国が0.44%台、英国が0.73%台と、いずれも1%に満た ない水準だ。ドイツにいたってはマイナス0.06%台と、マイナス金利が続いている。

ドル高基調の中でも下値が堅く、高格付けで高金利という条件がそろっていることもあって、日本の投資家は個人を中心 に豪ドルへの投資に強い興味を示しているようだ。日本の個人投資家向けを中心とした外債(いわゆる売出債)のうち外貨建てでの発行割合をみると、豪ドル建 ての割合は28.5%と、より金利の高いブラジルレアル建てやトルコリラ建てを抑えトップとなっている。

 

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